美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

在学生インタビュー

懐かしい、忘れ去られたようなモノ、時が止まったような空気感を描きたい

鳥居 結人

日本画コース

「創画展2009」奨励賞の作品について
描いたのは、散髪屋の店内です。去年京都の町を歩いていて、ひっそりと営業している昔ながらの店を発見、お願いして3日間スケッチさせてもらいました。昔のまんまの内装、使い込まれたイス、人間味があって温かくて懐かしい、そんな時が止まったような空間を描きたかったんです。僕がモチーフにするのは、たいてい古いモノ。今描いているのも使われなくなった古いミシン、クラフトコースで発見したものです。使いこまれた古いモノって人間匂さがあって心にじんわり染みるんです。
日本画って?
実は幼稚園時代から子供アトリエで絵を習っていて、浪人中もずっと洋画を描いていました。受験の際、予備校の先生に何故か奈良芸の日本画を勧められて「はい!」って感じで受けました。もともと植物写生が好きだったから、日本画の方が向いていると思われたのかもわかりません。
日本画絵具の美しさ、深みのある色彩、自由な表現など、やっていて自分にぴったりだと思っています。ただ、最初絵具に手こずりました。粒子が粗いので色を重ねるのが難しくて。その分、思った通りの色が出せたときは達成感がありますね。
僕は、自然や風景をそのまま写し取って描くというより、自分の心に響くさまざまなシーンを切り取って絵として構築していくのが好きなんです。だから感動した時のモチベーションを下げないよう気持ちを乗せてスケッチしています。もちろん途中でだめになる時もありますよ。最初に構想をしっかり練らなかったら挫折します。
将来は?
絵を描かない自分というのは全く考えられません。描くことは一生続けたいですね。 美術の先生になって、絵を教えられたらいいなと思っています。「描く」ことで未来に つなげたい、それが出来たら素晴らしいなぁ。 (京都府出身)
<日本画/中尾壽男教授からひとこと>
創画展初出品で奨励賞、受賞おめでとう。時間をかけて、ていねいに描いた結果が出たと思います。鳥居くんの絵は構図やモチーフが新鮮で魅力的です。受賞が重荷になって力みが入らないよう、素直に描き続けて欲しいと思います。

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