美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

卒業生インタビュー

人間の感情の奥底を表現したい

眞鍋 享子

日本画コース

現在の仕事
私立高校で美術教師、京都精華大学でデッサンを教えています。そして仕事の合間に作家活動をしています。高校の美術教師になりたくて奈良芸卒業後、京都精華大学に編入、そこで高校の美術教員免許を取得しました。さらに日本画制作をもっと深めようと大学院に進みました。現在、教員という職業に就いて人に教えていますが、実際は私自身の勉強になることの方が多いです。生徒は上手じゃなくても魅力ある絵を描いていたりしますから。10代って教えれば吸収するのが早いんです。できなかった生徒が、どんどん上手く描けるようになって伸びているのを感じることが、楽しいしヤリガイですね。一人ひとりと向き合いながら、それぞれの良いところを伸ばしてあげたいと思って指導しています。
「第27回上野の森美術館大賞展」で最高賞の絵画大賞を受賞
受賞作品『疑』のテーマは「人間の根底にある影の感情」です。人って何だろうと考えた時、美しい感情も持つけれど、さらけ出したくない影の部分も持ち合わせていますよね。不安がいっぱいで疑ったり、ねたんだり、そんな醜い内面を描きたいと思いました。グレーを基調とした空間に膝をかかえてしゃがみ込み、外敵から身を守る人物のポーズや色使いなどで暗く沈んだ感情の奥底を表現しました。大賞受賞は思いがけないことで自分でもびっくりでした。副賞として上野の森美術館で初の個展を開催する機会も得ることができ、絵の配置や壁面の使い方などいろいろ勉強になりました。2012年4月には出身地の愛媛県立美術館で個展をする予定です
大学時代の思い出
よく怒られていましたね。先生に「これ以上休んだら単位あげない」とか言われて、あまり真面目な学生ではなかったと思います(笑)。授業以外の自治会活動も取り組んでいて結構忙しい毎日でした。日本画は奈良芸に入ってからです。試行錯誤の連続でしたが、制作はノビノビ描かせてもらいました。専攻科に進学して人物をテーマに描くようになると、日本画制作が面白くなってすっかりはまってしまいました。先生は細かく口出しするわけでもないけれど、迷ったり困った時には適切なアドバイスをしてもらいました。比較的自由にやっていましたね。気負わずに制作できる雰囲気、包容力のある先生方、そんな奈良芸の環境が良かったですね。
学生たちへ
興味あることにはまず行動すること。学生時代は時間的にも余裕があるので、学生にしかできない時間の使い方をして欲しいですね。制作するためには、いっぱい刺激を受けることが一番だと思います。自分の世界を広げるためのチャレンジして欲しいと思います。(愛媛県出身)

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