美術科<2年制>

陶芸コース / Ceramic Art

在学生インタビュー

作品のイメージは土と対話しながら生み出す。

吉松 勇樹

陶芸コース

「ハニワ復元」と「ハニワ制作体験講座の指導」に取り組んで
僕が取り組んだのは「イスに座る男性」の上半身部分です。復元作業は実物に忠実につくることが求められます。とくに人物は微妙なところで顔の表情も変わってくるので、細部まで気がぬけませんでした。古代と同じ手法で土づくりから始めたんですが、千数百年前の道具のない時代にあれだけのものがつくれる古代人って器用ですごいなぁと感じましたね。
「ハニワ制作体験講座」は小学生から大人までの一般人対象でした。期間中8回開催したんですが、たくさんの人に参加していただきました。土に触れるのが初めてという人も多く、つくり方を説明する練習も事前に学内で行いました。自分自身がきちんと理解しておかないと指導もできませんからね。ハニワは同じようにつくっても、目の大きさ、鼻の高さなどで表情が異なり、それぞれ個性があって面白かったです。
陶芸を選んだきっかけは?
実は高校時代、授業で美術をとってないんです。たまたま友達が美術部員で、陶芸をやらないかと誘われてやってみたんです。高校には小さな窯もありました。土に触るのは初体験、最初ロクロで器を作ったんですが、それが面白くてすごく興味を持ったんです。美術の先生は滋賀県信楽に窯を持たれていたので、一緒について行ったりしてだんだん陶芸にハマっていきました。そして先生の薦めで奈良芸に入学しました。高校時代はイメージだけの陶芸だったから、入学後は基礎からきちんと学びました。
制作のテーマ、何をヒントに?
皆はカタチから入るのですが、僕はカタチがイメージできないんです。高校時代、美術を学んでいないから苦手なのかも(笑)。それでアイデアが出るまでいつまでも土を触り続けます。土を触っているうちに偶然カタチを発見し、いくつかのパターンをつくって先生にアドバイスをもらいます。頭で考えるより土と向き合いながらイメージしていくのが僕のやり方です。カタチが決まったら装飾です。僕は彫刻刀をつかって土を彫ります。彫りのきわだつ作品をつくることが今、僕のテーマです。
難しいことや楽しいことは?
焼成で素材が変化する陶芸は、魅力があると同時に難しい面もあります。カタチや構造によってヒビや割れも多いんです。僕もよく失敗しました。やっと1年くらい前から割れなくなりましたけどね(笑)
楽しいのは、何といっても窯から出す瞬間ですね。目の前に色がついて出てくると感動です。世界に一つしかない自分の作品ですから。
将来は?
卒業後は、滋賀県信楽の窯で修行を積みたいと思っています。そしてずっと大好きな陶芸にしがみついていきたいと思っています。(大阪府出身)

BACK TOP