美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

卒業生インタビュー

海外で出版やアニメ化も!手づくりにこだわり、「カワイイ」を追求しています。

うらのかろく

日本画コース

この仕事の魅力・やりがい
夫と一緒に人形劇絵本の工房「かろくこうぼう」を営んでいて、絵本や人形をつくっています。絵本といえば通常は絵やイラストなんですが、私たちはストーリーを考え絵コンテを描いたあと、各場面を木工の立体作品にします。完成したらフォトスタジオに持ち込み、セッティング。カメラマンさんに撮影していただき、絵本に仕上げます。こうした造形の場合、「小物は既製品を使う」というのが多いのですが、私たちはすべて『手づくり』。既製品が入ると世界観が崩れるんです。だから妥協したくありません。でも手を抜かずに気持ちを込めてつくると、子どもたちにも伝わるんですね。「小物がカワイイ」「サブキャラが好き」といった読者の声もたくさんあって作家冥利につきます。
今の仕事との出会い・きっかけ
童話集『めいさくのたからばこ』は1万冊で成功といわれるなか8万冊のヒット。台湾や韓国でも出版されています。オリジナルストーリーの『コケッコーさん』は日韓共同でアニメ化されたほか、ヨーロッパでも出版予定です。奈良芸卒業後、父の会社で事務をする合間に人形をつくっていた頃からすると驚くことばかりです。人形制作が仕事になったのは個展を開催したとき。出版社のライターさんが雑誌の挿絵の仕事を紹介してくださったんです。その後本格的に職人さんに木工を教えてもらい、今の作風を確立しました。30才の頃に大阪から上京、ほとんどの出版社をまわる「売り込み作戦」を決行したおかげで仕事が増えていきました。テレビの子ども番組の美術や雑誌、教科書の挿絵、表紙なども手がけています。
私の学生時代!
フリーハンドで真円を描くのはプロでも至難の業。でも私は上手く描けるんです。その理由が最近になって「日本画コースでみっちり練習したからだ」と気づきました。授業で鍛えられたワザがしみついていたんですね。人形の絵付けでとても役立っています。奈良芸の授業では「大和臨地研究」も印象に残っています。奈良の史跡を巡るんですが、写真ではなく本物を見るって大事ですよね。仏像ガールの私にとって奈良は「発想の宝庫」でした。
学生たちへ
自分の作品の売り込みを皆心配していると思いますが、目標を持ったらこわがらないことです。引っ込み思案しないで「あたってくだけろ」の精神で売り込む。出版社の編集の方って皆やさしいですよ。今自分のところでは使えないと思っても他の編集者さんを紹介してくれたりします。資料を預けたら、何年か後に仕事がきたことも(笑)。人とのつながり、出会いをいっぱいつくっていくことが大切だと思います。(大阪出身)

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