美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

教員インタビュー

こころを見つめ、こころで描く

大槻 睦子 特任教授

日本画コース
日本画制作

休み時間の研究室は学生たちで賑わう
日本画研究室を訪れると、いつも澄んだ明るい声で「どうぞ」と迎えてくれる。どことなくオーラが漂う。大槻先生の隠れた特技は手相見。休み時間になると学生たちが手相を見て欲しいと詰めかける。 「なんか、よく当たるみたい」コース内の学生の手相はすべて見ていると話す。他コース生も迷いがある時、相談に来る。手相は人生の節目で変化するから面 白いらしい。
日本画とのきっかけ
日本画との出会いは高校3年生の受験勉強を始めた頃だった。芸大を目指し画塾に通 う日常の中、日本画家の岩沢重夫画伯を知る。展覧会でその美しい色彩に感動を受けた。
漫画家になる予定だった…?
「実は小学生の頃から漫画を描くのが得意で、ギャグやSF漫画を描いて同人誌に連載していました。中学生になると1コマ、4コマ漫画で学校の印刷物に掲載して、もちろん将来は漫画家になるつもりでした。それで大学のデザイン科に入って本格的な勉強をしようと考えていたのです。ただ芸大の受験勉強をするのが遅くて、2箇所の画塾を掛け持ちで通 っていました。1つの画塾は、ビジュアルデザイン系、もう1つの画塾は絵画系でした。2つの画塾を通 っているとそれぞれに人種に違いのあるのが分かりました。それで自分はどっちかなぁと考えると、絵画系の塾に行くと何となく居心地がいいのですよね。結局目標をデザインから日本画に変更しました」 京都市立芸術大学で日本画を6年間勉強した。大学4回生の時、日展に初入選。「嬉しくて、もう2か月くらい足が地面 についていなくて、フワフワ浮いている感じでした」
日本画の中に東洋哲学がある
日本画は一つ一つの作業の中に東洋の哲学があるという。「岩絵具を膠液で溶きながら作品と対話し、じっくり自分の色を作り出します。一筆一色に思いを巡らせながらの作業です。まるでお酒を造るように、自分の心の中で醸成していきます。日本画は特に、自分の内面 から湧き上がるものを大切にします。毎日が自分の心の中を見つめる日々ですね」
学生たちには日本画の色彩の美しさを学んで欲しい
「天然の鉱物から出来ている岩絵具には独特の光の散乱があります。その美しい絵具を使って描く楽しさ、どこまでも追求しきれない奥深さ、日本画の魅力にどっぷり浸って自分の表現を追及してもらいたいです。そして卒業後も続けて欲しいです」
『大相撲』にはまっています
スポーツ観戦が趣味。中でも『大相撲』。力士だけでなく、行司、呼び出し、相撲部屋にもやたら詳しい。「相撲は取り組みあいの観戦だけでなく、呼び出しや行司、力士の立ち振る舞いを見ることも面白い。それに相撲部屋の歴史や背景を知ることも楽しい」行司の仕切りや呼び出しの声でその性格まで分かるという。

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