美術科<2年制>

洋画コース / Oil Painting

卒業生インタビュー

魂をアートで表現

今井 希

洋画コース

昨秋京都で銅版画のグループ展をしていた今井希さんは、洋画コースの卒業生。アルバイトをしながら作家活動をしている。作品を通して多くの人と触れ会えるのは楽しいと瞳を輝かせる。
銅版画
学生時代、銅版画の授業は月曜日の午前中。週の初めだったから遅刻することも多くて、先生に申し訳ないけど最初は適当にやっていたんです。ある時「自分で考えた生物を描く」という課題があって、思いっきり面白いものをつくってやろうと、口からよだれを垂らした不思議な生物を描きました。それが先生にほめられて、嬉しくて銅版画が好きになるきっかけになりました。銅版画はあまり絵具を使いません。画材が少なくてすみます。思いついた時すぐ描けることや細い線や点で深い味わいのある表現が可能なこと、そんな理由で卒業後も聴講生で銅版画を続けました。
作家活動はどうですか?
グループ展をしていますが、自分の作品の前で足を止めてじっくり見てもらえたら嬉しいですね。反対にスルーされたら落ち込んじゃうかな。作品展では多くの人と触れ合えるというのがいいですね。
私にとって描く理由の一つが、自分の心の記録です。特に気持ちが凹んだ時やストレスがたまった時の方が、吐き出すようにイメージがはらんできます。無心で描いていると、気持ちが落ち着いて何かすっきりしちゃって(笑)。今展示されている作品の一つも、私が落ち込んだ時の作品です。自分の心の中を整理するため、揺れ動く感情を呼び起こしながら描きました。何枚も何枚も試行錯誤を繰り返し、やっと思い通りの表現で刷り上った時の達成感は、言葉に出来ない嬉しさです。
後輩の学生たちへアドバイス
課題をきっちりこなしていくことです。私は洋画コースですが卒業してから、裸婦の課題をもっと頑張って描いておいたら良かったと後悔しています。卒業したら裸婦なんて描く機会がそんなにありませんから。卒業後、やっとけば良かったと思わないよう悔いなく学生時代に学び取って下さい。
それから大学で描いていて、この先どうしようかと不安で悩んだりしますが、卒業後もずっと続けて欲しいですね。卒業後は課題無しの自由制作です。何をやればいいのかと迷わないためにも、やはり日頃の表現力の蓄積が大事ですよ。
最後に奈良芸の思い出を
授業の合間に、仲間ととりとめの無い話をするのが楽しみでしたね。同じ価値観を共有する仲間と意見を交わすことで、刺激されたり、エネルギーをもらったり、新しい世界に出会ったりでした。奈良芸はそんな仲間との出会いの場でもあり、またかけがえのない時間を与えてくれました。

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