美術科<2年制>

洋画コース/ Oil Painting

徳治昭

書店で、自分の絵本が並べられているのを見た時は感激

徳 治昭さん

洋画コース
1989年美術科卒業

童画を描かれるようになったのは?
きっかけは、ひょんなことからでした。20代半ば、東京でサラリーマンとして勤務していた頃です。家の近くの本屋で来年のカレンダーを探していた時、個性的でパワフルな絵が描かれているカレンダーが目に入り買って帰りました。それが“スズキコージ”という絵本作家の絵だったのです。それから彼の絵本に魅せられ、はまっていったのです。いつか僕もこんな絵を描きたいと。『やっぱりやりたいことをやろう!』サラリーマンを辞め本格的に絵を再開しました。奈良芸時代、基礎のデッサンに明け暮れた日々があったから、ブランクがあってもすぐ創作活動に戻ることができました。 最初はフリーのイラストレーターとして、依頼主からキャラクターデザインやロゴマーク、イラストの注文を受けて仕事をしました。と同時に自分の作品も描き続けました。そうして描きためた絵を出版社に持ち込みながら、個展を開くという地道な活動を続けていました。
念願の絵本を出版されたそうですね
ある出版社から「絵本を出しませんか?」とチャンスが来て、2004年に念願の絵本『も~ぉ~うしです!』を出版しました。牛から出来るミルク、プリン、ステーキなどの食品類、かばんや靴、薬などの製品を紹介し、人間が一頭の牛からどれだけ恩恵を受けているのか、命の大切さを子どもたちに考えてもらう絵本です。おかげさまで評判上々、発売後すぐに増刷が決まりました。アクリル絵具を使って一枚の絵に時間をかけて丁寧に描きました。文字をあまり使わず絵だけでストーリーを展開する作家の力量 が問われます。試行錯誤の日々でした。初めて書店で、自分の絵本が並べられているのを見た時は感激でした。現在は2冊目の絵本を制作中です。出版後、原画展を開いたら本を購入した人もたくさん来てくれて「子どもがこの本が好きで離さないんです」と嬉しい話も聞けました。
サラリーマンにもファンが多いとか?
毎年大阪梅田のギャラリーで個展を開いています。常連客のサラリーマンが絵の前でずっと佇むのです。心が癒されるみたいですよ。でもやはり大好きな子供たちに見てもらいたいです。個展で子供たちの声を生で聞けるので楽しいですよ。優しさをいっぱい持った人間に育って欲しいという僕のメッセージが通 じたら嬉しい。 絵は下描きなしで何枚も並行して描いています。1枚を少し描いたら、裏返して次の絵を描く。時には途中で何を描いていいのかわからなくなることもあります。だからアイデアがひらめいた時は、すぐにメモをとっておくことも忘れませんね。
あい夫人は洋画コースの同級生
付き合ったのは学生時代ではなく、卒業後何年か経った後の再会から。気持ちが通 じてゴールインしました。アドバイスもありますよ。昨年、年賀状のデザインを100点創るという企画があったのですが、アイデアが出尽くしてしまって。そしたら彼女が何点かアイデアをくれて・・助かりました。

鮮やかな色彩、かわいい動物たちや元気いっぱいの子供たちが絵の中でキラキラ輝いている。どこか懐かしさのある、優しさとあたたかさに満ちた絵だ。顔が自然になごんでくる。ギャラリーは徳さんの“ほっこりワールド”だ。 子供たちのために絵を描くという夢を実現させた徳 治昭さん。個展は、最近年10回程度。開催地も大阪、神戸、東京と広がっている。「個展をするたびに新しい出会いがあり、批評もあって刺激を受けます。描いてすぐ売れる童画やなかなか離れない童画。でも離れる時は寂しさも・・」童画たちを車に積んでまた次のギャラリーへ引き連れていく。僕は童画たちの生みの親ですがまるでサーカス団の団長みたいという徳さん。童画たちは楽しそうに次の出会いを待っている。

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