広報室ブログ

もっと奈良芸!

2024.03.02

絵描きの視点、学者の視点

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  • 日本画コース

奈良芸では現在、特別講座期間。

通常のコースでの学びだけでなく、他コースの講座を受けたり、特別公演があったりします。

奈良芸の日本画コースで模写の授業をしていただいていた正垣雅子先生(現在は京都市立芸術大学)に来ていただいて、日本画コースの学生や公開講座に参加の社会人の方、興味のある他コースの学生向けに講演をしていただきました。

テーマは「仏教美術調査で出会った画材たち」〜チベット・ミャンマーでの調査より〜

まずは先生の自己紹介。日本画との出会いは?模写を始めて世界へ調査へ行くきっかけなど^^

そもそも絵具って?
色の素と展色材(接着材)が合わさって絵具で、毎回アトリエで岩絵具(色の素)と膠(接着剤)を調合して描いている日本画は世界的に見ても珍しいそうです!考えたことなかった〜^^

これから紹介する国の位置関係と昔と今の文化交流の違いなどを解説。

岩絵具の原料や筆、膠など仏教美術調査の先々で画材をチェック!
案外日本と同じものが使われていたり独特なものがあったりと面白い^^

岩絵具づくりも石臼に天井から吊るした石杵をぐるぐる回してすり潰して(左側)、水簸(すいひ)で粒子の荒さを分けていきます。(右側)
日本で購入できる岩絵具は大体5〜13、一番細かい白(びゃく)までと幅広い番手があるんですが、ここでは、4つほどの番手しかないそうです。

他にも、金箔や漆などの工房の様子などを面白おかしく紹介していただいて、みんな興味津々^^

先生が各地で手に入れた画材などを実際に紹介してくれました。

珍しいものもいっぱい^^

会場には、考古学者の前園実知雄先生と卜部行弘先生も!

前園先生が考古学の視点から感想をお話しされ、正垣先生は絵描きとしての視点でチベットやミャンマーの仏教美術の流れや文化の伝わり方、当時の絵描きの動きなどを考察したやりとりが新鮮で非常に面白い内容でした^^

画材に興味津々の参加者。
正垣先生へ色々と質問されてました〜

正垣先生!お忙しい中、大変興味深く面白いお話しありがとうございました!

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