美術科<2年制>

デザインコース / Design

卒業生インタビュー

学生時代の思い出は、『再提出』

森實 美月

デザインコース

学生時代の思い出は、『再提出』
谷口先生をはじめ先生方が厳しくて、やたらと課題ばかりでした。特に谷口先生は怖くて気軽に話さえできなかったんです。課題を提出しても先生の返事は、いつも『再提出』。まだ授業にパソコンを使わない時代でしたから手描きです。やり直すのは面倒でした。2年間相当鍛えられました。殆どの学生が『再提出』でしたが、皆馬鹿みたいに熱心できちんと提出していましたよ。ほんと遊べなかった(笑)。でもこの厳しさは後になって役立ちました。
卒業後、(株)ボンビに就職しました。店頭のPOP、販促物のデザイン・企画・設計をする会社です。始めてプロの世界を目にした時は、制作現場のすごさに衝撃を受けました。デザイナーの仕事ってクライアントのニーズに即座に応えられる能力や説得力、消費者への配慮など実に細かい仕事なのです。
入試前日、橿原神宮のおみくじで『凶』
小さい頃から絵がうまいと言われて「私の行く道は絵しかない」と自分で決めていました。兄が美術研究所に通っていたこともあって、小学生の時から兄をまねてデッサンを描いていました。将来は『デザイナー』というあこがれがあって奈良芸のデザインコースに入学しました。実は受験前日、橿原神宮に合格祈願のお参りに行ったんです。そこでおみくじをひいたら『凶』、「やばい。浪人か」と思っていたら合格でした(笑)。

2004年春、大阪市中央区でデザインオフィス“光芸社”を設立しました。以前の会社ではクライアントの要望は営業が聞いて、デザイナーである私たちは仕事をこなすのみでしたが、独立すると最初の打ち合わせ段階からクライアントの要望、意図が明確にわかります。中には、すごい短期間でやってというのもあります。瞬時にイメージを創り上げる能力も要求されます。何を望み、どうしたいのか聞き出すことが大切です。最終評価で「よく売れた。好評だった」なんて声を聞けた時は嬉しいですね。モチベーションが上がり「よーし、次はもっといい仕事をしよう」と思うようになります。今は持ち込まれる仕事を貪欲にこなしながら、しかもクオリティーにこだわるというスタンスをとっています。「いい仕事をすると、明らかに次にいい仕事が持ち込まれますから」。
在学生たちへ
課題はしんどいけど、きちんと提出することです。「こんなの何の役に立つの?」とその時思うかもわかりませんが、必ず10年後に気付くはずです。先生の評価を受け止め、次のステップに結びつけて下さい。奈良芸の学び、学生や先生方との出会いはこれからの人生できっと大きな財産になります。

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