美術科<2年制>
洋画コース / Oil Painting
教員インタビュー
自然の情景から漂う生命力を描き続ける
高橋 顕児 講師
洋画コース
洋画コース
- 「人からよく<絵バカ人間>だと言われるんです」と笑って話される洋画コース主任(2009年4月就任)の高橋顕児先生が、自らの作品テーマを中心に語った。
- 動機
- 絵に目覚めたのは小学校5年生の時、大阪市内から郊外に引越をしたのがきっかけになった。里山の風景や菜の花畑など、今までに無い風景に心おどり絵を描き始めた。「面白くて、楽しくて、描きまくっていたね」手に持った絵具の重さが心地よかった。小学6年生になると<美大へいこう>と早くも芸術への道を志す。自然の美しさに対する想いは今もずっと続いている。対象物と語り合うこと、絵を描く魅力はそれにつきると言う。
- テーマについて
- 希望通り、京都市立芸術大学の西洋画科に入学した。そして人体を描くことに熱中する。「私は<こうだ>と思ったらひたすら突き詰める。不器用でまっすぐなんです」人体は難しかった。良い絵を描きたいと思えば思うほど描くのが怖くなり、目標を見失ってしまう。しかも大学卒業後はモデルがいないので人体が描けなくなった。不安感、焦りが残った。一時は現代アート、抽象に魅せられるが、メッセージがうまく伝わらないことに気づく。「自分の中にまだ確固たるモノが見出せなかったから」。再び具象に戻ったが、気が乗らなかった。そして原点である自然の情景に向き合った。「自然の持つ豊かな息吹き、生命力のある空間や動きを表現しよう」田園風景や山を10年間描き続けた。やがて遠景ではなく自分の立つ位置の近く、池の水に視線を落とす。刻々と変化する水面の動き、陽光をうけて反射する水面、浮かぶ木の葉、おもしろいモチーフだった。「7~8年描いたかなぁ。これも描きつくしちゃってね(笑)。最近は海の水、波を描いています」。悠久なる自然を自らのファインダーを通して表現することにこだわっている。
- 学生たちへ
- 「しっかりとモノを見る、冷静にモノを見る力を養って欲しいですね。絵を描く土台、基礎を鍛えるためには<見ること><感じること>です。体や手を動かしながら解決してください。」