美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

在学生インタビュー

心を揺り動かす空間を描く

藤井 哉

日本画コース

なぜ日本画に?
高校生の時、通っていたアトリエの先生に描き方が日本画に向いていると言われて、日本画に興味を持つようになったのです。それと美術館で画家上村松園さんの絵を見て魅了されたことも、日本画を始めるきっかけになりましたね。それまでは日本画は静かで平面的なものと考えていたんですが、松園さんの絵は女性の表面的ではない内に秘めた美しさが描かれていて、感動したのです。
絵が好きだったのは子供の頃からです。母が毎日絵本を読んでくれて、言葉より絵が面白くて絵ばかり見ていました。もちろん描くことも大好きな子でした。今でも絵本とかアニメは大好きです。特にチェコのアニメーション作家、ミレルなんか大好きです。幻想的で暖かいイメージが気に入っています。どこか日本画に通じるものがあるんじゃないかなぁ。
日本画の魅力は?
描けば描くほど手ごたえがあるのです。色が良くないと思っていても上に色を重ねたら厚みが出て、いい色になったりします。自分の技術よりも日本画の岩絵具に助けられているようでね(笑)。
日本画の基本は感じることなんです。私は日本画を学ぶようになって心に響くものが多くなりました。日々の生活の中でも描きたいものが頭の中にどんどんインプットされるのです。今年秋の創画展に出品した絵のモチーフはメリーゴーランド。日本画としては扱いにくいものですが、あの楽しい空間をどうしても描きたくて挑戦しました。描きたいという最初の思いを大切にしながら。
大学生活で楽しかったことは?
一番は、絵がもっと好きになったということです。クラスメイトと語り合いながら、励ましあって日本画を描く。私、大学に来ると元気が出るんです(笑)。もちろん公募展の受賞は嬉しかったですね。初めて入選した時はびっくりしました。自分の絵は個性が強すぎるのかなとコンプレックスもあって不安だったんです。10月末JR京都駅上のホテルに、京都・奈良・滋賀の各芸大から1点ずつ展示される企画があって自分の作品が展示されます。たくさんの方に見てもらえることは励みになります。
将来の夢は?
ずっと日本画を続けたいと思っています。もっと表現力をレベルアップしたいのです。卒業後は、周りに絵を描く人や先生もいなければ、課題も無い。そういう状況下でどういうふうに続けられるのか、不安もありますが試してみたいんです。それに中学校美術教諭の資格も取得したので、美術教員をしながら創作活動するのもいいかなぁなんて思ったりもしています。教育実習で絵が苦手という生徒に教えるのは楽しくて「先生って、いい仕事だなぁ」と思いましたから。ただ、描くことだけでは飽きるのでいろんなアートを見ることも続けていきたいですね。(和歌山出身)

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