美術科<2年制>

日本画コース / Japanese Painting

卒業生インタビュー

学生時代にもらった言葉が、イラストレーターとしての原点。自分らしい絵で食べていく

上村 恭子

日本画コース

この仕事のやりがい
最近手掛けているのは、曹洞宗の月刊誌「禅の友」の表紙です。毎月の連載は大変ですが、自分のイラストが表紙を飾ることは嬉しいですね。モチーフを見つけやすい月はすぐにデザインが決まります。逆に11月とかは、どうしようかと悩むこともありますね。季節やお寺の行事を描くことが多いです。他にもポストカードや雑誌の差し絵、フード店メニューのイラストなど描いています。私のポストカードを買ってくださったお客様が「あのポストカードを描いた人ってどんな人ですか?」とお店の方に聞かれたそうなんです。 「落ち込んでいた時、あの絵で癒されたから」と言ってくださって。そんな時は本当に嬉しい。自分の描いたものが、見る人によってさまざまな捉え方をされる。絵描き冥利に尽きますね。
今の仕事との出会い・きっかけは?
「線がきれい」。学生時代、友人から言われた言葉が私の原点。曲線を描くことが多いですね。女性の身体や子供など曲線が多いモチーフをよく選ぶのも、そのせいかも知れません。フリーのイラストレーターになったキッカケは、卒業後、出版社に作品を持ち込んだこと。とはいえ最初は苦労も多かったです。依頼先から 「こんなものを描いて」と見本を渡され、それを形にするようなことも。誰かのように描くのであれば、自分じゃなくてもいいんじゃないのかというジレンマがあり、その頃が一番苦しかったですね。でも「線がきれい」という言葉を支えに、自分の絵を大切にしてこられた。今では私らしいイラストを描ける仕事も増えました。
私の学生時代
奈良芸は短大ですが、ほかの芸大の4年分を2年に凝縮した授業内容で、実技も多く充実していました。作品は学内の作品展に出展。先生が講評をくださって、絵の表現や描写力を高めていきます。ある日、私の裸婦画を見た先生から「線が漫画っぽいね」と言われました。この言葉は今でもよく思い出しますね。仕事をしながら「漫画っぽくなってるかな」と自分の絵を見ることがあります。私が立ち戻るひと言です。友人との出会いも大きかったですね。昨年、個展を開いたのですが、学生時代の友達もたくさん来てくれました。10代・20代の頃に熱く議論を交わした仲間とは、今も美術談義できるのは嬉しいですね。(奈良県出身)

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